慶應義塾大学文学部(小論文)|2017解説

こんにちは。あまちゃん先生です。

”慶應義塾大学文学部(小論文)|2017年の解説と解き方”についてお伝えします。

①ざっくり言うとこんな問題です。

課題文の要約を300字以上360字以内で要約する問題。

そして

「分け与える」ことについて320字以上400字以内で論じる問題。

 

合格点を獲るためには

要約回答力

お題に対しての背景知識発想力必須となります。

 

 

あまちゃん先生。

まずは設問1の模範解答とともに要約問題の解き方のコツをお伝えします。

②設問1の解説

《ざっくり言うとこういう問題》

トングウェ人の最小生計努力はどういうものだろうか?

 

それはゴラン・ハイデンが「情の経済」と名づけた、アフリカ諸国の発展を阻む要因となっているのだろうか?

 

嫉妬やうらみによる平準化の圧力は彼らにとって何だろうか?

 

トングウェ人の最小生計努力はどういうものだろうか?

 

ざっくりいうとこの内容についての要約を書く問題です。

 

まずは模範解答です。

《模範解答》
タンザニアのトングウェ人の生活維持のしくみとして最小生計努力と食物の平均化の二つがある。これら二つの傾向性は超自然的な世界と関係を持ち、自然の改変を最小限にとどめ、原野の自然と共存しながら暮らすことを可能にし、その中で集落間の生産量の不均衡を縮小している。それは分け与えない人は分け与えないものからの妬みや嫉妬に対する畏れゆえに分け与えている。ゴラン・ハイデンはこれを「情の経済」と名付け、アフリカ諸国の発展を阻む要因と論じた。しかし彼らにとって嫉妬やうらみによる平準化の圧力は抑圧ではなく、自然や社会との関係的に存在する時間を操る生き方の技法、ホスピタリティであり社会関係をやりくりする技法である。これより彼らはたゆまぬ時間の流れのなかに緩急を生み出しながら、スリリングに生きている時間をあやつる達人のようにもみえる

《問題の解き方》

 

要約問題攻略のポイント!

①課題文の結論を導き出す。

②結論内容とその字数に合わせて、それまでの文章構成整理まとめる

この2点を守るだけでクリアです。

では具体的にどう解いていくかというと、

①まず課題文の結論を探すと、

最後から5段落以降より、

・嫉妬やうらみによる平準化の圧力は抑圧ではなく、自然や社会との関係的に存在する時間を操る生き方の技法として解釈を展開できる。

 

・彼らの嫉妬のかわし方はホスピタリティであり、社会関係をやりくりする技法。

 

・彼らはたゆまぬ時間の流れのなかに緩急を生み出しながら、なかなかスリリングに生きている、時間をあやつる達人のようにもみえるのだ。

ここが結論として導き出せます。

②結論までの文章構成を整理すると、

課題文の文章構成としてザっと整理するとこんな感じになります。

・わたしがLiving for Today なるものに学術的な関心を抱いたきっかけは掛谷誠先生の講義による。

 

《その講義では》

・トングウェ人の生計経済を調査し彼らの生計維持のしくみを「最小生計努力」と「食物の平均化」の二つの傾向性を切り口に論じていた。

・トングウェ人は年間の推定消費量ぎりぎりしか主食作物を生産していない。

 「トングウェ人は、できるだけ少ない努力で暮らしを成り立たせようとしている」

 

《講義を聞くうちに》

この最小生計努力は自然とともにのんびりと暮らす生き方としてではなく、社会を生きるうえで誰しもが抱くだろう人間の基本的な感情―嫉妬やうらみ―と、それに起因する呪いにある。

 

集落の住民が食べられるだけの食糧しか生産しないにもかかわらず、集落を訪れる客人をもてなすために、生産した食糧の40%近くも分け与えている。

 客人がいつ何時、何人くらい訪れるかはあらかじめ計算できない。

・生産量と消費量の危うい均衡が崩れ、食物が欠乏してしまう事態にも陥った集落は近隣の貯えのある集落に行き、食物を乞う。貯えを与えた集落もあとになって、ほかの集落に食べ物を乞いにいかねばならなくなるという連鎖が生じる。

・「食物の平均化」とは、このようなしくみで集落間の生産量の不均衡が縮小していく事態を示したものだ

 

この最小生計努力と食物の平均化の二つの傾向性は、超自然的な世界と関係を持っている。

・「分け与える」に反する行為は、人びとの妬みやうらみの対象となり、ときには分け与えない者に対する呪術を発動させる。

・この妬みや呪術に対する「畏れ」ゆえに、人びとは食物を分け与える。

 

1980年代にゴラン・ハイデンは再分配を通じた相互扶助システムを「情の経済」と名づけた。そしてこれがアフリカ諸国の発展を阻む要因となっていることを論じた。

・情の経済論はその後、一部のアフリカ研究者に分かち合いをめぐる排他的な道徳的傾向性として再解釈。

・掛谷自身も平準化は社会全体の発展を「押しとどめる」動きばかりではなく、条件さえ整えば、変わり者が始めた新規の農法を一気に広めるなど、社会全体を「押し上げる」動きとなり、内発的な発展を促進する動力ともなることを論じている

 

《タンザニアの焼畑農村》

・刻々と変化する縦軸の時間よりも、横軸の時間のほうが優先しているようにみえる。

 

 

・「どうかなったら、そのときに対処する」というLiving for Todayの生き方から出発しているのではないだろうか。

・嫉妬やうらみによる平準化の圧力は抑圧ではなく、自然や社会との関係的に存在する時間を操る生き方の技法として解釈を展開できる。

 

・彼らの嫉妬のかわし方はホスピタリティであり、社会関係をやりくりする技法。

・分け与えることはあらかじめ予想した出来事というより、降りかかってきた定め。

 

・ふだんは「何とかなるはずだ」という信念にみずからの生存を懸け、過度に自然や社会関係を改変せず、未来に思い悩まず「自然」のリズムでまったり暮らしながらも、いざというときは、呪術や超自然的な事変との関係も駆使して切り抜ける。

 

・彼らはたゆまぬ時間の流れのなかに緩急を生み出しながら、なかなかスリリングに生きている、時間をあやつる達人のようにもみえるのだ。

あとはここを結論の内容と文字数に合わせて整理すれば完成です。

 

あまちゃん先生。

要約問題に慣れていないときは300字というのが字数の多いものと思いがちですが、結論を導き出してそれに合うように文章構成を整理すると意外と字数がないものと知ります。

意外と書けないものですので、結論までの文章の流れでは字数にコンパクトにまとめたものを取り入れて、要約を完成させましょう!

 

 

要約問題の解き方のコツについて詳しく知りたい方はこちらへどうぞ。

今の2点のコツについて詳しくお伝えします。

要約問題の解き方

 

③設問2の解説

「分け与える」ことについて、あなたの考えを320字以上400字以内で述べるもの。

この文章をふまえて”というのが

条件としてない問題です。

(慶應文学部の小論文を解く上で注意すべきところ)

「分け与える」ことについてどういう考えを論じられるだろうか?

この文章の内容に触れなくてもいいですが、

本番で解きやすい解法を紹介します

 

まずは模範解答です。

《模範解答》
「分け与える」ことがない社会とは自給自足の社会であり、食べ物など生活に必要なものすべてを自分の手で得なくてはいけない社会である。自分の手で得ることが出来なくても、他者との交換によって得ることは出来るが、それは交換能力があるものだけしか豊かに生きることが出来ない。「分け与える」ことがない社会では少数のものしか豊かに生きることができない。

「分け与える」とは短期的に見れば損に思えるが長期的にみれば分け与えられたものの中から、自分が困ったときに助けてくれたりと良い人間関係を構築することが出来る。例えば商売においても試食など売りたい商品を無料で分け与えることにより、お客さんが近づきやすくなり、結果お客さんとの良い人間関係を築くことができる。「分け与える」とは人間関係を豊かにする大事な行為である。

《問題の解き方》

まずは分け与える”ことについてどう捉えているかというと

・逆に「分け与えない」とどうなるか?

・短期的には損でも長期的にみればどうだろうか?

ここを考えの起点に持っていき、

「分け与える」ことについて論じてみました。

あまちゃん先生。

設問2の論じることについてはこの解き方のように逆に「~でない」場合で考えると、考えやすくなりまし、練習の間、制限時間を無視して1度ゆっくり考えてみてください。浮かばない場合は調べても良いです。

 

まとめ

 

あまちゃん先生。

慶應文学部の小論文問題は出題傾向があまり変わっておらず、10年分以上解くなど解き方に慣れることが大事になります。初めは時間がかかっても数をこなしていくうちに時間内に良い答案が書けるようになります。慶應文学部合格に向けて、数多くの問題実践に励みましょう!