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こんにちは。
あまちゃん先生です。
”慶應義塾大学文学部(小論文)|2015年の解説と解き方”についてお伝えします。
①ざっくり言うとこんな問題です。
科学的な知識についての筆者の主張を300字以上360字以内で論じる問題。
そして
人間にとって科学的な知識とはどのようなものか。
この文章をふまえて、あなた自身の考えを320字以上400字以内で論じる問題。
・問いに対しての回答力
・課題文の論理構成をふまえての回答力が必須となります。
あまちゃん先生。
②設問1の解説
《ざっくり言うとこういう問題》
科学的な知識についての筆者の主張を300字以上360字以内にまとめる問題。
科学的な知識について筆者がどう主張しているだろうか?
まずは模範解答です。
《問題の解き方》
①科学的な知識についての筆者の見解を拾い出す。
②拾い出したものを指定字数に合わせて答える。
この2点を守るだけでクリアです。
では具体的にどう解いていくかというと、
①まず科学的な知識について筆者が何をいっているかというと、
科学の専門用語は~
以降から述べられている内容から拾い出すと、
・科学の専門用語は、ギリシア語やラテン語にさかのぼって、新たな言葉として造語されたものか、従来から使われている言葉に限定された意味を与えたものかのいずれかである。
・前者の場合は、往々にして、難解な学術用語という趣があり、科学的な啓蒙にはあまり適さない。
・後者は広く一般読者に理解してもらうため、できるだけ平易で日常的な言葉で説明しようとする場合に使われる。
・もちろん研究者は厳密に定義して使うのだが、その言葉を受け取る側はその用語がもつ他の意味、つまり言葉が本来もっている「定義に含まれない」意味を読み取り、
書き手の方もそれを暗黙の前提としていることがある。ここに知の欺瞞への誘惑がある。
そして最後から3段落目以降から拾い出すと、
・言葉は科学の独占物ではないので、誰がどのように使ってもいいのだが、定義された意味を変えるのなら、明確にそれとわかるようにしなければならない。
・恣意的な言葉遣いをすれば、そこに誤解や歪曲が生じることになるのである。
以上のように述べており、
②こちらを指定された字数内で整理し、まとめれば良い答案の完成です。
科学の専門用語は~から始まる文章までの内容として、
・赤い色は波長七七〇メートルの光として物理学的に定義できるが、それを個人がどのような感覚(クオリア)として受け取っているかは、自分に関してはわかってっも、他人については知りえない
・私たちのコミュニケーションの前提になっているのは、おそらく他の人びとも同じように赤色を感じているのだろうという推測だけである。
・色覚には人種による違いが知られている。
・色に限らず、あらゆる感覚について、他人がどう感じているかは外からうかがい知ることはできない。「怒り」、「悲しみ」、「喜び」という感情がどういうものかは、自分の感情を基本にして類推するしかない。
・他人の置かれた状況や振る舞いあるいは表情から、その人の気持ちを推し測るという能力は、しばしば人間以外の対象にも向けられる。
・たとえ植物や細胞が相手であっても、対象の全般的な健康状態を知るのに「ご機嫌が悪い」というような擬人的な見立てが実践に役立つ場面がしばしばある。
・つまり、擬人的な対象の捉え方は、対象に感情移入して相手の丸ごとの反応を予測するうえで一定の便利さがあるということだ。
・科学啓蒙においえもしばしば擬人的な表現が用いられるのは、このゆえである。
・他人に何かを伝えようとするとき、聞き手にその何かを具体的に想像させるような表現が必要になる。
・したがって、言葉による表現はなんらかの形の比喩に頼らざるをえないのである。
・こうした擬人的な表現をすることによって遺伝情報の流れが明確に理解できる。
・科学啓蒙において、むずかしい概念をやさしく説明するために、擬人的な表現は時として必要である。
・しかし、たやすい理解には必ず誤解がつきまとう。
以上のように述べられており、
科学知識を啓蒙するのに擬人的表現を使う理由として、
・擬人的な対象の捉え方は、対象に感情移入して相手の丸ごとの反応を予測するうえで一定の便利さがあるということだ。
・他人に何かを伝えようとするとき、聞き手にその何かを具体的に想像させるような表現が必要になる。
・したがって、言葉による表現はなんらかの形の比喩に頼らざるをえないのである。
ここを回答内容として持ってきても良いと思います。
あまちゃん先生。
③設問2の解説
人間にとって科学的な知識とはどのようなことかについて、この文章をふまえて、あなたの考えを320字以上400字以内で述べるもの。
”この文章をふまえて”というのが
大事な回答条件になる問題です。
この文章をふまえると人間にとって「科学的な知識」ついてどう考えを論じられるだろうか?
設問1を解くうえで整理した文章構成をもとに回答してみましょう!
あまちゃん先生。
この場合は設問1の回答でまとめたものを設問2を解く上で使うと設問2が解きやすくなります。
設問1を解くときに少し時間を使って文章構成をまとめるのは意味のある闘い方です。
まずは模範解答です。
本文にもあるように科学的な知識を説明する専門用語として、難解な学術用語として使われているものと広く一般読者に理解してもらうためにできるだけ平易で日常的な言葉で説明されている2つがある。前者は理解するのが難しいため使い手と受け手とでの解釈のズレは起きないが、後者では受け手の馴染みのある言葉で説明されているために使い手と受け手とで解釈のズレが起きていると考える。しかしその解釈のズレは起こるべくして起きたものと考える。日々科学的思考に慣れている使い手とそうではない受け手とでのズレが起きるのは当然である。そのズレに対して不満を投げかけるのは間違いであり、受け手がその間違えた解釈のままで何も問題が起きていないのなら容認する姿勢が大事である。そして問題が発生する場合は、またそのズレを認めた上で正しい理解のほうに持っていくのも使い手の説明責任である。
《問題の解き方》
まずは課題文の内容から科学的な知識について
・科学の専門用語は、ギリシア語やラテン語にさかのぼって、新たな言葉として造語されたものか、従来から使われている言葉に限定された意味を与えたものかのいずれかである。
・前者の場合は、往々にして、難解な学術用語という趣があり、科学的な啓蒙にはあまり適さない。
・後者は広く一般読者に理解してもらうため、できるだけ平易で日常的な言葉で説明しようとする場合に使われる。
・もちろん研究者は厳密に定義して使うのだが、その言葉を受け取る側はその用語がもつ他の意味、つまり言葉が本来もっている「定義に含まれない」意味を読み取り、
書き手の方もそれを暗黙の前提としていることがある。ここに知の欺瞞への誘惑がある。
・言葉は科学の独占物ではないので、誰がどのように使ってもいいのだが、定義された意味を変えるのなら、明確にそれとわかるようにしなければならない。
・恣意的な言葉遣いをすれば、そこに誤解や歪曲が生じることになるのである。
ここを考えの起点に持っていき、
ここからどういう意見を持つだろうか?
模範解答では、科学の言葉になじみのない受け手が誤解を招くのは仕方ないことであり、それを考慮に入れたうえで使い手が科学の言葉を使うべきでると論じてみました。
逆に
・誤解を招かないために科学用語の基礎理解を上げる教育をすべきである。誤解が生じたままでは間違えた使用法で大事故を起こしたりと、受け手にとって不利益なことがある。
など受け手の科学用語の基礎理解を上げるべきと論じるのもOKだと思います。
あくまでも設問2はこの文章をふまえてと書いていますから、この文章をふまえないで論じることはないように。
あまちゃん先生。
まとめ
あまちゃん先生。