慶應義塾大学商学部(小論文)|2018-1解説

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こんにちは。
あまちゃん先生です。
”慶應義塾大学商学部(小論文)|2017年-1の解説と解き方”についてお伝えします。

ざっくり言うとこんな問題です。

18世紀までのオペラや演劇の照明に使用されていたロウソクの費用。

またそれと比較した当時の未熟練労働者の週賃金などはいくらだろうか?

 

合格点を獲るためには

設問文条件整理力

・整理した条件から回答力

 

必須となります。

 

 

あまちゃん先生。

数学が苦手な受験生にとって、頭が痛くなるような問題かと思いますが、設問文をゆっくり落ち着いて整理すれば、解ける問題が多いものです。ここでゆっくり整理しながら解いてみましょう。まずは設問1の解き方のコツをお伝えします。

問1の解説

《ざっくり言うとこういう問題》

それぞれの費用または重さはいくらだろうか?

 

まずは模範解答です。

《模範解答》

(1)(2)・(3)(4)

02シリング10ペンス

(5)(6)・(7)(8)

0335オンス

(9)(10)・(11)(12)

50ポンド04オンス

(13)(14)・(15)(16)・(17)(18)

07ポンド01シリング08ペンス

(19)(20)・(21)(22)

1574週分

(23)(24)(25)(26)

2400インチ分

(27)(28)・(29)(30)・(31)(32)

07ポンド02シリング04ペンス

(33)(34)(35)(36)(37)

37280

(38)(39)・(40)

112千ポンド

(41)(42)

16百万円

《問題の解き方》

課題文を読みながら、条件を整理しましょう!

では具体的に1問ずつどう解いていくかというと、

(1)(2)・(3)(4)の解き方

問われているのは、ロウソク1ポンドが(1)(2)シリングで(3)(4)ポンドかということ。

回答条件として、その後にある未熟練労働者の一週間の賃金9シリングが、\(3\frac{3}{17}\)ポンド分の重さだったというところを使って解きます。

 

あまちゃん先生。

早速数学じゃ~ん(泣)という声が聞こえそうですが、出てきている条件を揃えてみましょう。

揃えてみると意外とな~んだというモノに化けます!

まず

未熟練労働者の週賃金の重さと金額(シリング)を揃えてみますと、

未熟練労働者の週賃金\(\frac{33}{17}\)ポンド(重さ) = 9 シリング

聞かれているのは、ロウソク1ポンドがいくらかなので、その金額を\(x \)とすると、

ロウソク1ポンド(重さ) \( =x \)シリング

未熟練労働者とロウソクの条件を揃えると

\(\frac{33}{17}\)ポンド(重さ) = 9 シリング

1ポンド(重さ)\(=x \)シリング

これを横一列に揃えると

\(3\frac{3}{17} : 9 = 1 :x \)

こうなります。

比の内項と外項の積は等しいので、

\(3\frac{3}{17} x=9\)

\( x=9\div3 \frac{3}{17}\)

\( x=9\div \frac{54}{17}\)

\( x=9 \times \frac{17}{54}\)

\( x=\frac{17}{6}\)

\(17\div6 \)=2\(\frac{5}{6}\)

つまり、2\(\frac{5}{6}\)シリングとなります。

\(\frac{5}{6}\)シリングが何ペンスかというと、

求めるペンスを\(y\)とすると

1シリング=12ペンスより

これも揃えて

1シリング=12ペンス

\(\frac{5}{6}\)シリング=\(y\)ペンス

これも横一列に揃えると、

\(1:12=\frac{5}{6}:y\)

比の内項と外項の積は等しいので、

\(1\times y\)=\(12 \times \frac{5}{6}\)

\(y=10ペンス\)

以上より、

2シリング10ペンスとなります。(02シリング10ペンス)

(5)(6)・(7)(8)の解き方

問われているのは、ロウソク1本あたりの重さが、(5)(6).(7)(8)オンスかということ。

回答条件として、4段落の劇場で~用意するべきロウソク1本あたりの重さは(5)(6).(7)(8)オンスとなるまでの文章内容から回答条件を整理して解きます。

必要なものは、直径1インチ、長さ10インチの円柱型のロウソク240本。

回答として聞かれているオンス(重さ)の条件としては、

直径2インチの円柱型蜜ロウソクの重さが1インチあたり1.34オンスだということ。

必要なものは直径1インチ長さ10インチの円柱型のロウソク1本の重さ。

直径2インチの円柱型蜜ロウソクの1インチあたり1.34オンスの重さを比較して考えると。

まずは長さを揃えると

直径2インチ長さ10インチの重さは、

直径2インチ長さ1インチの重さが1.34オンスより、

長さが10倍となると考えて、

\( 1.34 \times 10=13.4 \)

直径2インチ長さ10インチの重さは13.4オンスと分かります。

あとは

直径2インチ長さ10インチの重さの直径を1インチにするとどうなるかを考えると、

ここで

直径2インチ→直径1インチだから、\( \div 2\) すれば良いと考えそうですが

それはダメなのです!

何故かというと、

 

 

このように直径1インチと直径2インチの半径は\(\frac{1}{2}\) インチと1インチとなり、

それぞれの面積は\(\frac{1}{2}\times\frac{1}{2}\times π=\frac{1}{4}π\) と\(1\times \ 1\times π=π\) となり、

\(\frac{1}{4} π\) :\(π\)より、

面積比は1:4になるため、

直径2インチ長さ10インチの重さは13.4オンスを

直径1インチ長さ10インチの重さにするには、\( \div 4\)しなくてはならず、

\( 13.4\div 4= 3.35 \)

よって3.35オンスとなります。(03.35オンス)

(9)(10)・(11)(12)の解き方

(5)(6)・(7)(8)で出した答え(ロウソク1本分の重さ)を240本文の重さに変える。

(5)(6)・(7)(8)の答えより、ロウソク1本分の重さが3.35オンスより、

240本の重さは、

\( 3.35\times 240=804 \)[オンス]

問題文より1ポンドが16オンスより、

\(804\div 16 \)=\(50…4 \)より

50ポンド4オンスとなります。(50ポンド04オンス)

(13)(14)・(15)(16)・(17)(18)の解き方

問題文より、50ポンドの重さのロウが必要。

(※)通貨のポンドと重さのポンドを見間違えないように!!

(13)(14)・(15)(16)・(17)(18)前の1ポンド=20シリングという条件は1ポンド通貨のこと。

今条件として整理しているのは50ポンドという重さ。

これまでの文章を見直すと、(1)(2)・(3)(4)のところで、

ロウソク1ポンド(重さ)=2シリング10ペンスと出しており、この答えを出したところを見直すと、

1ポンド(重さ)=2\(\frac{5}{6}\)シリングと整理しています。

この条件より、

50ポンド(重さ)は、\(50\times 2\frac{5}{6}\)シリング

\(=100\frac{250}{6}\)

\(=141\frac{4}{6}\)

\(=141\frac{2}{3}\)シリング

となり、141シリングは何ポンドかというと(ここで1ポンド[通貨]=20シリングの条件を使います)

\(141\div 20 =7…1 \)

=7ポンド1シリングとなります。

あとは残った\(\frac{2}{3}\)シリングが何ペンスかというと(1シリング=12ペンスの条件より)

\(\frac{2}{3}\times12=8\)ペンスとなります。

以上より、50ポンドの重さは

7ポンド1シリング8ペンスとなります。(07ポンド01シリング08ペンス)

 

(19)(20)・(21)(22)の解き方

(13)(14)・(15)(16)・(17)(18)で出した答えを週賃金に換算する。

3段落の内容より未熟練労働者の一週間の賃金が9シリングなので、

\(141\div 9≒15.74 \)

よって、

15.74週分となります。

(23)(24)(25)(26)の解き方

①リハーサルと②本番ではそれぞれどれくらい消費されるかを求める。

①リハーサルでは120本のロウソクを12時間点灯するので、

(ロウソクが1インチ分燃焼する時間が60分=1時間より)

ロウソク1本を12時間点灯すると、\(1\times 12=12\)インチ消費することになり、

これがロウソク120本になると、\(12\times 120=1440\)インチ消費することになります。

同じように

②本番では240本のロウソクを4時間点灯するので、

ロウソク1本を4時間点灯すると、\(1\times 4=4\)インチ消費することになり、

これがロウソク240本になると、\(4\times 240=960\)インチ消費することになります。

①リハーサルと②本番では

\(1440+ 960=2400\)インチ消費することになります。

 

あまちゃん先生。

この問題は実を言うとそれまでの問題に答えられなくても解けた問題だったのです!

前半に頭を悩ませても後半どこかで解ける問題に出会うことがありますので、こういうのは見逃さないようにしましょう!

(27)(28)・(29)(30)・(31)(32)の解き方

(23)(24)(25)(26)で出した2400インチは金額にしていくら分だろうか?

2400インチを通貨にすると・・・

インチ(長さ)から金額へとすぐに変換できる条件がなく、

(5)(6).(7)(8)の答えから、

直径1インチ長さ1インチのロウソクの重さが0.335オンスだと分かり、

これを2400インチ分用意すると、

\(0.335\times 2400=804\)オンスとなります。

(5)(6).(7)(8)横の1ポンド(重さ)=16オンスの条件より、

804オンスをポンド(重さ)に直すと、

\(804\div16=50\frac{4}{16}\)

\(=50\frac{1}{4}\)ポンド[重さ]となります。

あまちゃん先生。

この問題は答えまでの変換に手間がかかりますが、あともう少しです。

(1)(2)(3)(4)より、

ロウソク1ポンド[重さ]=\(2\frac{5}{6}\)シリングより、

\(=50\frac{1}{4}\)ポンド[重さ]が何シリングかというと、

\(=50\frac{1}{4}\times 2\frac{5}{6}\)

\(=\frac{201}{4}\times \frac{17}{6}\)

\(=142\frac{3}{8}\)[シリング]

(13)(14)・(15)(16)・(17)(18)前の1ポンド[ポンド]=20シリングより

\(=142\frac{3}{8}\)[シリング]の142を20で割ると、

\(142\div 20=7…2\)

7ポンド2シリングとなります。

あと残りの\(\frac{3}{8}\)[シリング]が何ペンスかというと、

(1)(2)(3)(4)後の1シリング=12ペンスより、

\(\frac{3}{8}\times 12 = \frac{9}{2}\)

\(=4.5\)

【※問題文より1ペンス未満は切り捨てなので】

4ペンスとなります。

以上より、

7ポンド2シリング4ペンス(07・02・04)

あまちゃん先生。

長かったですが、出てきている条件を丁寧に整理して解くと回答まで導けます。ここは出来るまで繰り返し練習しましょう。この手の問題が解けるようになれば慶應商B方式の受験生の中でも上位層に行けますので

(33)(34)(35)(36)(37)の解き方

東京都の最低賃金の時間額932円。週40時間働いたとすると、週賃金はどうなるか?

\(932\times 40=37280\)円。

あまちゃん先生。

この問題も(23)(24)(25)(26)の問題と同様に、それまでの問題に答えられなくても解けた問題だったのです!

前半に頭を悩ませても後半どこかで解ける問題に出会うことがありますので、こういうのは見逃さないようにしましょう!

(38)(39)・(40)の解き方

18世紀当時のバター価格と現在のバター価格を比較して、マンズオーリーの年棒を示す。

あまちゃん先生。

最後のこの問題も[重さ]のポンドと[通貨]のポンドの条件を明確にしてから解きましょう!

まずはマンズオーリーの年棒1500ポンドをバター1ポンド[重さ]の価格9ペンスと比較するために、

マンズオーリーの年棒1500ポンドをペンスにすると、

(13)(14)・(15)(16)・(17)(18)前の1ポンド[ポンド]=20シリングより

\(1500\times 20=30000\)シリング

(1)(2)(3)(4)後の1シリング12ペンスより、

\(30000\times 12=360000\)ペンス

18c半ばのバターの価格が

1ポンド[重さ]=9ペンス

マンズオーリーの年棒360000ペンスが何ポンド[重さ]分に相当するかというと、

\(360000\div9=40000\)ポンド[重さ]分に相当します。

現在のバター1ポンド[重さ]=2ポンド80ペンス[通貨]

(1ポンド=100ペンスより、80ペンス=0.8ポンドとなり)

現在のバター1ポンド[重さ]=2.8ポンド[通貨]となります。

マンズオーリーの年棒40000ポンド[重さ]が何ポンド[通貨]かというと

現在のバター1ポンド[重さ]=2.8ポンド[通貨]より、

\(40000\times 2.8=112000\)ポンド[通貨]

よって11万2千ポンドとなります。

(41)・(42)の解き方

(38)(39)・(40)の答えをもとに回答する。

(41)・(42)後のイギリス通貨1ポンド=147円より、

先ほど出た11万2千ポンドを円に切り替えると、

\(112000\times 147=16464000\)

百万円未満は切り捨てより、

\(≒1600000円 \)となり、

1千6百万円となります。

問2の解説

 

(ア)の解き方

 

(27)(28)・(29)(30)・(31)(32)で出した答えから考えると

2400インチ分は\(=142\frac{3}{8}\)[シリング]と整理できます。

(1)(2)(3)(4)後の未熟練労働者の一週間の賃金は9シリングより、

\(=142\frac{3}{8}\)[シリング]が何週間分かというと、

\(=142\frac{3}{8}\div 9=\frac{1139}{72}\)[週間]となります。

(33)(34)(35)(36)(37)で出した週賃金が37280円より、

\(\frac{1139}{72}\)[週間]は現在の金額に表すと、

\(\frac{1139}{72}\times 37280= 589748.98 \)[円]

≒58万9千円 [1] となります。

 

問3の解説

まずは模範解答から

模範解答
今と昔の商品の価値を同じとしている。(18字)

 

(イ)の解き方

 

このお話はどういうルールで始まっているだろうか?

(38)(39)・(40)前の文章をよく見ると

当時と今とでバターの価値は同じと考えて試算すると

となっています。

当時と今とでバターの価値は同じでしょうか?

機械化も今ほど整っていない頃。

冷蔵・冷凍などの保存技術も今ほど優れていない頃と同じでしょうか?

同じとは言い難いですね。

同じ場合はこのように計算をすることが出来ますが、

価値が違う場合は価値基準を揃えないと比較計算が出来なくなります。

なので、

今と昔の商品の価値を同じとしている。

が答えになります。

まとめ

 

あまちゃん先生。

慶應商学部の数学的考えを必要とする小論文問題は解き方に慣れることが大事になります。初めは時間がかかっても数をこなしていくうちに時間内に良い答案が書けるようになります。慶應商学部合格に向けて、数多くの問題実践に励みましょう!苦手としている生徒が多いものですので、解き慣れておくのは合格への強みになります!